
マインドフルネスとは仏教の修行の瞑想をベースとし、米国でジョン・カバット・ジン博士が1979年に開発した『真の自己を知る』プログラムです。米国の著名人のインテリ層がこぞって取り入れており、日本でも逆輸入という形で瞑想をはじめとするマインドフルネスが様々な場所で取り入れられています。それではマインドフルネスとは何でしょうか?どのように魅力的なのでしょうか?
1.マインドフルネスの米国での歴史
マインドフルネスは仏教が基盤になっている現代人に向けた考え方であり、ツールです。日本では禅僧で曹洞宗の開祖である道元が広めた禅宗の禅の思想は1960年代に曹洞宗の僧侶の鈴木俊隆師により当時のヒッピー文化やミニマリズムと結びつき、アメリカのカリフォルニア州に広まりました。鈴木俊隆師の著書『禅マインド ビギナーズ・マインド』はアップルの創設者であるスティーブ・ジョブス氏の愛読書としても知られ、近年更に多くの人に知られるようになりました。
2.Apple製品の中の禅
従来のガラケーと言われる携帯電話には固定されたキーボードがついていることが常識でしたが、iPhoneはタッチパネルとホームボタン1つという簡素なデザインにより、操作の殆どをタッチパネル上で行うことを可能にしました。京都の龍安寺の石庭は彼のものづくりの原点であり、Apple製品が入った箱やMacやiPhoneのアダプターなどを見ても一目瞭然です。
3.スティーブ・ジョブスと禅
Apple創始者のスティーブ・ジョブス氏は大学を中退したインド放浪をきっかけに仏教に目覚め、若い頃のジョブスはサンフランシスコ禅センターの知野老師の元に頻繁に通うようになったと言われています。更にはジョブス氏が一度はAppleを追われた時に支えとなったのも禅でした。Apple社の企業理念である『Think simple』はまさに無駄を削ぎ落としシンプルであるという禅の美学そのものなのです。
4.シリコンバレーと禅
そして、2010年以降のシリコンバレーでは瞑想はもはや常識。Google本社の社員が「頭を空っぽに」と会議室で瞑想をしていると言われています。マインドフルランチの実施や歩行瞑想用の迷路を作るなどの徹底ぶりです。Facebookもまた社内に瞑想ルームを持ち、自他には境界線がない仏教の教えをSNSを通じて可視化するなど、様々な形で禅の考え方が浸透しています。
5.禅と中庸
私たちの多くは物事を考える時に「善と悪」「陰と陽」「静と動」「上と下」「右と左」など全てにおいて二元論的に片付けてしまいがちです。しかし、禅の瞑想には自分と自分の外の世界という境界線がないのです。むしろ、この世に絶対というものや二極化した考え方は存在せずに自分が宇宙であり、宇宙は1つであるという真我とも繋がる世界のことです。そこが深い意味で欧米人をも夢中にさせる部分ではないでしょうか。 ヒッピー文化やそれに伴う60年代のビート文学のようなカウンターカルチャーやジャズと共にアメリカ西海岸から徐々に浸透していった禅ですが、それから60年あまり経過した今、禅もマインドフルネスとして一度は禅から手元を離れたように見えましたが、再度、文化の中に根付き、瞑想を通じて人々は日本の侘び寂び文化から多くを学び入れて進化し続けているのでしょう。








